それは、聞き覚えの無い声だった。

少女の声に被さるように聞こえてくるその声は、どこか懐かしくもあり、神々しくもあった。





――リディア、シュラムへ行くのです

ラドニアが滅ぶ前にシュラムへ・・・


シュラムへ・・・


シュラムへ・・・



(え? ラドニアが・・・ 

ほろ ぶ?

滅 ぶ


滅ぶ・・・?!)



――リディア様・・・


瞬間

リディアの脳裏に、大粒の涙をぽろぽろと零す女の子が映った。





――ガタッ!!


「私は・・・!!」


リディアは大きく目を見開いて起き上がった。



ハァ ハァ ハァ・・・

胸の鼓動が治まらない。

言いようのない焦燥感がリディアを襲う。


(私は・・・護らなくてはならな・・・い?!)


何かを思い出そうとしてみたが、激しい頭痛がそれを遮る。