「リディア様、先代の国王様たちが創られてきたこのラドニア王国は、今、確かに栄え、発展しています。

そして、リディア様はそれを継承していくお立場の方。 

それを決して忘れる事のないようになさってください。

さあ、休憩は終わりですよ。次はこの国の経済について学びましょう。」


サリダはさっと席を立ち、資料棚へと足を向けた。




(違う・・・。 ラドニアはこのままでいい筈がない・・・。

ジプサムの力を借りない・・・ナユタ達の生活・・・。

それはいったいどんなものなのか・・・)


リディアは、ラドニアの歴史を記す分厚い本に目を落としながら、じっと考えていた。