「ま、その辺に座りな。

あんまり清潔じゃぁないが、我慢してくれ。」

ジャコスは厚手のコーヒーカップを二人の前に置く。


「ありがとうございます。」

ライトは、言いながら部屋の隅に詰まれた沢山の木の箱に目を留める。

「ジャコスさん、あれは?」


「ああ。 実はな、ユウリはもう知ってるんだが・・・、ここは、ロトスの地下組織の拠点になっている。

あれは、武器や、弾薬だ。」


「地下組織・・・ですか?」


「そうだ。

お前も知っての通り、ロトスは軍を持たない。持つ必要が無かったからだ。

ロトスはちっぽけな島だ。 資源だって、それほどある訳じゃない。

俺達は自分達の価値感でもって、必要なものと不要なものとを見分け、必要な物だけを手に入れてきた筈だった。

だが・・・」


「ラドニア・・・ですか。」

ライトはその後の言葉を待たずに言った。