「んじゃ、秘密基地へ参りましょうか。

ライト先生。」


「先生か・・・。 多分、僕が君を診る事は、一生無いでしょうけどね。」


「おい、俺はそんなにバカなのか?! え?!」


二人は、カツカツと地下への狭い階段を降りて行く。

黒い木の扉を開けると、薄暗い室内にはカビ臭いような湿った空気が漂っていた。


「ああ、ここは確か以前ビリアード場になっていましたよね。」

ライトの言うように、天井から下がる小さなペンダントライトの下には、昔の名残の古いビリアード台が2台、テーブル代わりに置かれている。

その周りには、いくつかの白木の丸椅子が無造作に並べられていた。


「遅かったな、ライト。

コーヒーが苦くなっちまったよ。」

ジャコスは煙草を銜えながらサーバーからコーヒーを注ぐ。


「すみません。

急患が入ったものですから。」