アーリアは、澄んだ蒼色の目で男の目を真っ直ぐに見つめ、切実な表情で訴えかける。

「お願いです。

なんとかして、ロトスにいる人達に伝えて欲しいのです。

危険が・・・迫っていると・・・。

このままでは、ロトスの人達は・・・、あの子は・・・、フェルナンドに殺されてしまう!!」


男は、一瞬目を大きく見開いてアーリアを見つめ、無言で片足を庇いながら立ち上がった。


そして、二つの黒い影は、王宮の地下通路へと続く小さな鉄の扉の向こうへとその姿を消した。