「それで・・・?

そのデモは治まったのか? オウガ。」

王宮の官房室に、フェルナンドの低い声が響く。


「はい。 国王陛下。

なんとかその場は抑えたようですが、このままでは、またいつ起きるやもしれません。」


「ふむ。

奴らにまだそんな意志が残っていたとはな。

そういう事ならば、なおさら事を急がねばならぬな。

奴らに、希望の光とやらを見せ付けてやる為にも・・・。

してオウガ、ロトス共和国からの返事は?」


「それが・・・奴ら、のらりくらりと返答をごまかして、話し合いにさえ応じる気配はございません。」


「なるほど。

つまりそれは、いつ仕掛けても構わないと・・・

そう言う事なのだな。」

フェルナンドは、口角を持ち上げ、その口髭をゆっくりと手で撫でる。


「そう・・・捉えてもよろしいかと・・・。」

オウガはぎらぎらした目つきでフェルナンドを見る。