「は! よく言うよ!

巷じゃ、もっぱらの噂だ。

俺達の救世主、リディア様だって、ロトスへお逃げになったってな!」


「誰がそんな根も葉もない噂を流している?!

王室に対するそのような侮辱は許されない。

お前達、今までラドニアを守ってこられた国王陛下へのご恩を忘れたのか!」


「ラドニアは、変わっちまったのよ!」


「何を言うか!」


「そうさ。

昔はこうじゃなかった。

街には緑があって、運河には綺麗な水が流れていたんだ。

それが、今はどうだ。

何処を見たって、ビル、ビル、ビル・・・

その中で油にまみれて仕事ばっかりしてるとよ、自分が機械みたいに見えちまうのさ。」


「それが、この国に豊かな経済をもたらしたではないか!」


「先代の国王陛下は、こんな世の中は望んではいなかった!!」


「そうさ。

ラドニアも、それを動かす王室も、みんな変わっちまったのよ!」