ラドニアの工業地区、カナムは、いつになく物々しい雰囲気に包まれていた。

コンビナートからいつものように響く轟音に混じって、沢山の人々の抗議の声があちこちで上がる。

人々は手に手にプラカードのような物を持ち、駆けつけた軍の制服の男たちと小競り合いを繰り返している。


「労働時間の短縮を!!

戦いの為の増税反対!!

俺達は王室の奴隷じゃない!!」


人々は口々に叫ぶ。



「何をやっている!!

早く持ち場へ戻れ!!

動力炉はお前達の生命線でもあるんだぞ!!

それを判ってやっているのか?!」


「どの道このままじゃ、俺達は死んじまうさ!

俺達、労働者の生活は苦しくなる一方。

変な病気も流行り始めてる。

お前達、王国の人間にこっちの何が分かるってんだよ!!」



「お前達はロトスの奴らに、このラドニアを乗っ取られてもいいのか?!」