「ジプサムの力を使わない・・・。

サリダ先生、では彼らはどうやって生活を営んでいるのでしょう。」


「さぁ、詳しい事は私にもわかりませんが、彼らは、風や太陽の光り、植物の力によってそのエネルギーを得ていると聞いています。」


リディアは、ハッと目を見開いた。


「先生、それは間違っていることなのでしょうか。 

ジプサムの力に頼らずに生活している彼らこそ、正しい道を歩んでいるのではないでしょうか!」


「リディア様、そのような事をこの王宮の中でおっしゃってはいけません。 

考えても御覧なさい。 

この王国がどれだけ栄えてきたか。 

ジプサムの力無しに、ブリタニア大陸有数の産業国家に成り得たとお思いですか?」


「そ、それは・・・」

リディアは俯いた。


「それに、ナユタ達には・・・」

サリダは言いかけて、ハッとし、その続きを飲み込んだ。

そして、別の言葉を続ける。