「おいおい・・・お姫様は見かけによらずチャレンジャーだな・・・」

ユウリは苦笑しながらその後に続く。


「兄貴~、キャベツ畑めちゃくちゃにしないでよ!!」

ココもそう言いながら嬉しそうに乗り込んだ。




―――ブロロロロロロ

小気味よいエンジン音と共に、機内へも激しい振動が伝わって来る。


(なんか、凄い! 最高だな!! 

コイツの試運転で、後ろにリディアさんがいるなんて・・・)

カラスはそっとほっぺたを抓ってみる。


(痛て! 夢じゃない・・・。)


「よし! では、発進します!!」

カラスの凛とした声が機内に響いた。


機体の両脇にある、大きな回転翼が回りだす。

キャベツ畑の土が巻き上がる。

太陽の眩しい光を浴びて煌く白銀の大きな機体は、ゆっくりと、その体を動かし始めた