「ユウリー!! お帰りなさーい!!」

車が家の前に着くなりアーチ型の木の扉が真ん中から勢い良く開き、中から褐色に日焼けした少女が飛び出して来た。


「おい!ココ!!

挨拶は彼女の方が先だろ!!」

カラスはジープから飛び降りて少女を睨む。


少女はハッと顔を赤らめて、その栗色の瞳を後部座席のリディアに向けた。


「ごめんなさい! リディアさん、

初めまして。 アタシ、この不甲斐無いカラスの妹のココといいます。」


「ぅおい! 何か一言余分なんだけど!!」


リディアはクスクスと可笑しそうに笑って、トンッとジープから降りる。


「初めまして。リディアです。

こちらこそ、お礼が遅くなったわ。

このお洋服、貸していただいてありがとう。」

白い麻布に金糸で刺繍が施されているロトスの民族服はまるであつらえたかのようにリディアに馴染んでいる。