フェルナンドは、嬉々としてその頁を捲る。

(不死身の人間などいる筈はない。

この書物の中に、我々の勝利への鍵が隠されているはずだ。 

誰にも邪魔はさせない。

ロトスのジプサムは、すでにこの手の中にある・・・。)



その書物は、当時を知るあるナユタによって、およそ200年前に書かれたものだった。








漆黒の髪 

碧色の瞳 

陶器のように白い肌を持つその少年は

大陸の人々による、ナユタの迫害と

無謀な自然破壊を諌める役割を担って

ラドニアの守護神「ジプサム」によって

遣わされた者である

その者は言うならばジプサムの化身であり

それと同様の力を持つ

あらゆる大地の力を己の体内で融合させることによって

生み出し発動されるその力は、

無敵の緋色の帯となって大陸の人々の力を奪い

ラドニアに平和を齎した。