「畏れながら国王陛下・・・現在の所、その所在はもとより、その生死さえも定かではありません。

ロトス共和国政府からの回答も得られていないのが現状です。」

オウガの隣に座している、白髪を後ろで結わえた男が淡々と報告する。


「ただ、軍の調べで、リディア様は亡命直前に銃で傷を負っているとの情報も入っております。

従って、誠に申し上げ難い事ではございますが、リディア様の生存の可能性は低いかと・・・」


「そうか。

だが、それはあくまで推測に過ぎない。

引き続き調査を頼む。

加えて、ロトス共和国政府への圧力も加えていかねばならんな。

これ以上、反ラドニア派に動いてもらっては困る。

外交官としてのお前の手腕が問われるというものだ。」


「お任せくださいませ。」

白髪の男は深々と頭を垂れた


「それから、もう一つ。

オウガ、例の兵器は出来ているか?」