「それだけじゃねェ。

ロトスは自然をいちばん大切にしてるからさ。」

ユウリが口を挟む。


「自然を?」

リディアがユウリを見る。

「あのね、リディアさん、俺たちロトスの人間は、まず最初にこう教わるんだよ。

『我らが神、ジプサムは島の自然と共に存在せり。故に決して島の自然を壊すことなかれ』

ってね。」


「ジプサムは島の自然と共に存在せり・・・」

リディアは反復してみる。


「だから、ここでは悪戯に木を伐採する事もしなければ、鉱物を撮り尽くすこともしない。

エネルギーは、風と太陽から受けるように昔から開発されてるんだよ。」


カラスは言いながら遠くの岬に立つ大きな細長い風車のようなモノを指す。


「この車だって、もちろん電気で走ってる。」