白衣の青年は切れ長の目で鋭くユウリを睨む。


「わかった。

わかったから・・・ライト、その目つきはやめろ。」


ライトはふっと笑ってリディアに向き直ると、優しくその手を取る。


「うん。

だいぶ気の流れが落ち着いている。

大丈夫そうですね。

また、少し環境が変わりますが、カラスくんの所なら、きっとあなたに良い結果を齎してくれるでしょう。」


「ありがとうございます。ライト先生。

私、先生には何とお礼を申し上げたらいいか・・・」


ライトはその両手をリディアの肩に置き、その目を見つめて言った。

「僕が治した訳ではないんですよ。

僕の作る薬は、患者の回復する力を助長するものでしかない。

強いて言えば、このロトスの環境があなたにとてもプラスに作用していると言ったほうがいいかな。

ただ、一週間でこんなに回復するとは・・・正直僕も思っていませんでしたよ。

後は、無理をせずにエネルギーを蓄えていけばいい。

決して焦らずに。

記憶の方は近い将来必ず戻りますから。」