ライトは、そんなリディアの反応を見越していたかのようにそっとその手を取り、その目を見つめる。

「大丈夫ですよ。

焦らなくていい。

セシリアの精霊は、いつも我らと共にある。

そしてきっと・・・あなたを静かに待っていますよ。」


「私を・・・?」

リディアは怪訝そうに首を傾げる。


「そう。 あなたをです。

我らが神は、傷ついた者を癒す力を持っている。

あなたの傷ついた心も・・・おそらく癒してくれることでしょう。」

ライトは、にっこりと微笑んだ。


「ああ・・・そうですね。

記憶が・・・戻るかもしれない・・・。」

リディアは安堵の笑みを洩らした。