しばらくして、ライトは静かに目を開け、指を放した。


「はい。 診察、終わりましたよ。

やはり、大分疲れているようですね。

血流が悪くなっているし、肝臓が少し弱っているようです。

今、薬を処方しますから、少し続けて飲んでくださいね。」


リディアはその左手を右手で抱えるようにして胸元へ持っていき、少し頬を赤らめて訊ねた。


「あの・・・薬師の方は、皆このような力を持っているのですか?」


「え? ああ、気の事ですか・・・。

気のやりとりが出来る薬師は、ロトス島の中でもごく僅か。シュラムの村の者だけです。」


「シュラムの村?」


「ええ。

昔からこのロトス島に住まい、セシリアの精霊ジプサムの加護を最も強く受けてきた者達の集まる村です。」


「ジプサム・・・!!」


リディアの中で何かがザワリと動く気配がする。

言いようのない焦燥感がリディアを襲う。