「え、えぇ?! もう?
だって、俺来たばっかだし・・・」


「もう充分だ。」


ユウリは、カラスの腕を掴んで背中を向け、ぐいぐいと戸口まで引っ張って行く。

そして、ドアに手を掛けながら、思い出したように振り向いた。


「リディア、ラドニアでのあんたは、ちょっとカッコ良かったぜ!」

言いながらニヤリと悪戯っぽく微笑む。


「え?!」


「じゃあな。」


ユウリは後ろ向きに手を振りながら、ドアの向こうに消えた。

慌てて、カラスが付け加える。


「また、来るから!!

また、旨いもん沢山持ってくるからさ!!」


「ありがとう!」

リディアは、初めてにっこりと微笑んだ。