「は? 誰が危ないのかな・・・え?」

ユウリは拳をカラスの頭にグリグリと押し付ける。


「アタタ・・・

な、何でもないってば・・・

でもほんと、うちのお袋の飯、すっごい旨いからさ。

あ、ほら、差し入れも持ってきた。」

カラスは麻布に包まれた弁当箱のようなものを差し出した。


「ありがとう。」

受け取ったその包みは、まだ温かい。

リディアは、胸に込み上げてくる熱いものを抑えることが出来なかった。


「ありがとう。私・・・私・・・」

ぽろぽろと零れ落ちる雫がリディアの掴んだ包みを濡らす。


「あなたは、少し疲れ過ぎているんですよ。

ゆっくり・・・ゆっくり休みましょう。」

ライトがその手をぽんぽんとリディアの頭に優しく乗せながら言った。




「さてと。 ほんじゃ、俺達は行くとするか。」