「あ、リディアさんは、一時的に記憶を無くしているようなんですよ。」


「あ・・・そ、そうなんだ・・・。

ごめん。俺・・・。

あ、でもきっと大丈夫だよ!

記憶だって、すぐ戻るさ。

なんたって、ロトス島にはセシリアの精霊が付いてるんだから!」


カラスはぐいっと親指を突き出して見せる。


「はい。」

リディアは、弱々しく微笑んで頷いた。


「で、カラス、お前何しに来たんだ?」


「え? あ、忘れてた。

着替え、持ってきたんだ。お袋に言われてさ。

ココのやつなんだけど、リディアさん小柄だったから大丈夫かなって・・・」

カラスは、茶色い紙袋ごとベッドの上に置く。


「あとさ、お袋が、少し体が落ち着いたらうちへ来ませんかって・・・。

だってほら、ここじゃ落ち着かないしさ、ユウリんとこじゃ危なくて危なくて・・・」