「では、やはり・・・」


「はい。ロトス島の最南端にあるセシリア湖に、ジプサムと同様のエネルギー源を確認できました。

しかも、その規模はラドニアのものとは比較にならない程巨大です。」


王宮の北の端の塔にある、国王の双子の弟、フェルナンドのいる暁の間。

部屋の中央にはウォールナットで出来た円形の大きなテーブルが置かれている。
 
中央の肘掛け椅子に腰掛けているのは、大柄な体に王国服を纏ったフェルナンドと、もう一人、小柄で丸い眼鏡を掛けた男、フェルナンドの重鎮オウガ。


「そうか。ご苦労であった。

やはり、私の予想は当たっていたようだな。」


フェルナンドはテーブルに広げられたロトス島の地図を覗き込んだ。

その下方の一箇所が赤く染められている。


「ロトス島はその昔、ビブロ半島と陸続きだった。

そして、何らかの地殻変動によって、その一箇所が孤立した。」


フェルナンドはトントンと、その赤い箇所を指の先で指す。


「ナユタの本当に守りたかった聖域は、ロトス島にあったのではないか・・・?」


その口元が綻ぶ。


「しかし・・・彼らの持つそれが、それほどに巨大なものだったとはな・・・。

これこそは、神がこのラドニア王国の為に与えてくださったありがたき奇跡・・・。」