Ⅹ(クロス)

カラスが慌てて大声で捲くし立てる。

「カラス、お前少し黙ってろ! 理由は後で説明する。
とにかくライト、こいつの事、お前に任せてもいいか?」


「ええ。 そうですね。 いずれにせよ、このままにしておく訳にはいきません。 

彼女は僕の診療所へ連れて行きます。

カラスくん、手を貸してもらえますか?」


「へ? あ、ああ・・・」

カラスは生返事をしながら、もう一度リディアの顔を恐る恐る覗きこんだ。


「この・・・綺麗な子が・・・お姫様・・・んで、ナユタ・・・で、力を・・・??」


――バシッ!!


「痛てっ!」


「お前、考えてねェで、さっさと仕度しろよ!!」


「分かったよぉ・・・」

カラスはユウリに背中を叩かれて、渋々ライトの指示を仰いだ。