「・・・これは・・・。」


「どうした? ライト」

煙草をくわえながら遠巻きに見ていたジャコスがすかさず尋ねる。


「確かに出血した形跡はあるけど、外傷は・・・見当たりませんよ。」


「な、何?!」

ユウリは思わず覗き込む。


切り裂かれた少女の衣服には確かにべっとりと血の跡が付着しているが、アルコール綿で拭き取られたその真っ白い肌には、傷ひとつ付いてはいない。


「な、何なんだ…コイツ…」

ユウリは唖然として呟く。


「やはりか…」


「ジャコス、さっきから何だよ!何か知ってるのかよ!」

カラスが横から苛々した声を出す。