ガラーン ゴローン

ガラーン ゴロ-ン


突然、時を告げる鐘の音が 街に響きわたる。

アーリアは そっと目を閉じ、深く息を吸う。


(どんなに産業が発達しても、変わらないものはある。 

そして、変えてはいけないものがある。

あの子はそれに気付き始めているのだわ。

あの子は・・・きっと戦わなくてはならない。
 
それは、おそらく避けられないこと。

その時は、もうすぐそこまで来ている。

だから・・・)


震える手を握り締め、王妃はゆっくりと目を開ける。

夕日に染まり行く街はまだ、平穏な安らぎを保っている。


(強くならなくては・・・)


王妃はその想いをしっかりと胸に刻んだ。