Ⅹ(クロス)

二発目の銃弾は、リディアの肩を掠めた。


「クソッ!!
あいつら、何考えてやがる!!」


ユウリはそのポケットから丸い塊を取り出すと、口でその金具を取り、後方の黒い車目掛けて投げ付けた。


――バ――ン!!


その塊は黒煙とともに炎を吹き、一瞬で車を吹き飛ばした。


「ケイン!!」

リディアは焼けるように痛む右肩を押さえながら、ケインのもとへ駆け寄った。


「おい、しっかりしろ!!」

ユウリはケインの傍にしゃがむとその体を支えた。


「リディア様を・・・頼む。

ロトス島へ・・・ ロトス島へ・・・」

ケインはユウリの腕を掴み、擦れた声を出した。



「一体、何があったんだ・・・」