「リディア、逃げるのです!!」


「お母様、私・・・私・・・」


「あなたのしてしまった事に対して、今ここで話す時間はありません。

このままだと、あなたはあの方に殺されてしまうかもしれません。

早く、一刻も早くラドニアを離れるのです。」


寺院の裏道に、ケインの運転する白い車が入ってくる。


「リディア様、さぁ乗ってください!」

ケインがドアを開ける。


「お母様!」


「後の事は私に任せなさい。

あなたは、生きることだけを考えるのです。

自分を信じなさい。

あなたは、選ばれた民なのですよ。」


アーリアはそう言って、リディアの腕に銀色のバングルを嵌めた。



「これは・・・?」