「で。話って何?」

香川くん、めちゃめちゃ機嫌悪い。今まで見たことない彼の態度に私はかなり戸惑って。

「香川くん忙しいのに、待っててごめんね」

ほら、言わなくちゃ。

「あ、あのね。私ね」

香川くんの眉間のシワが怖い。

「香川くんがね、好きなの!!」

ついに言っちゃった。

「私ね、香川くんが好き。一緒にいてずっと居心地が良かったの。ずっとずっと仲の良いクラスメートみたいな気分で、ずっと自分でも気付かなくて。

でもね、今日で最後だと思ったら、悲しくて。寂しくて。

あぁ、私、香川くんの事が好きなんだって。

さっきなんだけどね。さっきなんだけど、気付いたの」

漏れだした言葉はもう止まらない。

「香川くんは迷惑だよね。今日、これから予定があるんだよね? 彼女さんが待ってるんだよね?

ごめんね。こんな私に突き合わせて」


すっごい勢いで言い切ると、自分が急にすごく恥ずかしくなって。

そっと目の前に座る香川くんを見上げると、真っ赤になってた。

「香川くん?」