今日のランチタイムは、忙しいので15分ずれで、最初は熊ちゃんとだった。

私が食堂に入ると、熊ちゃんはもう食べ始めていて、

私は自分が頼んだ"かけうどん"を持って、熊ちゃんの隣に座った。

「昨日はありがとう」

"ごめん"て言葉を使いたくなかった私は"ありがとう"て言葉で昨日の出来事を表現したかった。

「いいえ。こちらこそ」
ニコッと笑いながら、熊ちゃんは箸を持つ手を休めて私と向き合った。

「オレっちはもう大丈夫だから心配しないで。さえちゃんは自分の気持ちに素直にね」

「?」

イマイチ意味の分からない顔をしてたんだろう。

「そんな顔をしても教えてあげないよ。さえちゃん頑張って」

何だ? イマイチ分からない私は曖昧に笑みを浮かべた時、

「そーだ。友チョコちょうだい」

ペロッと舌を出しながら手も出す熊ちゃんに。

私はクスクス笑いながら、小さな袋を手渡したんだ。

「簡単な物しか作れなかったけど、気持ちは込めたからね」

そう。私が渡したのは、小学生でも作れるチョコを型で固めた物。

昨日あれからだったから、こんな物しか作れなかったんだ。でも気持ちは込めたからね。貰ってね。

「オレだけ?」

「え…?」

「今日これ貰えるのはオレだけ?」

「うん。一つしか作ってないからね」

「嬉しい」

目の前の熊ちゃんの笑顔は本当に嬉しそうでかわいかったんだ。