「そうかなぁ」

あまりの幸福で、笑いが口元に浮かぶのを抑えることが出来ない。

恋の幸福。
それは、あたしにとっては初めてのもの。
「恋」と「レンアイ」は、違う。
そんなこと、「レンアイ」の渦中にいたあたしにわかるわけがなかった。

それは、ジルコンとダイヤモンドくらいの差がある。
値段だけじゃない。
用途だって違う。
思う存分、身に着けて見せびらかして楽しむのか、その美しさを見つめてため息をつくのか。

絶え間なくいといろいろなオトコを周囲に侍らせておくのは、口寂しくてタバコをくわえるのと同じ。
手近にキープしておけば、すぐに手を伸ばせて便利だった。
軽く体を休めるためのクッションとか、心地よく眠るためのタオルケット。
それと同じようなものだと思って、オトコをそれなりに扱ってきた。