自分のアパートに帰り着いて、ドアを開ける。
同時に、携帯が電話の着信のメロディを流す。
ゆっくりとブーツを脱いで、はずみで脱げてしまったソックスを洗濯機に放り込んでから、通話ボタンを押す。

「はーい」
「ちっす。今どこ?」
「ウチ。玄関入ったトコ」

聞こえてきたのは、よく馴染んだ声。
シュンだ。

「またアキヒロんとこ行ってた?」
「うん、アキヒロんちで雑誌読んでた」

本当に、そう。
アキヒロはそのまま眠ってしまったし、あたしはそのまま一通り広報を読んだ。
その後は、テレビ雑誌に自動車雑誌。写真週刊誌もあった。
全部、季節感は狂ってるけど、暇つぶしには問題ない。

「あ、そう。はいはい」