***** 奇妙な金属音を立てて、弦が切れる。 ただの細い針金と成り果てた弦が揺れるのを、ぼんやりと眺めていた。 そして、ゆっくりとため息をつく。 「朱」 シュンが肩からぶつかて来る。 「なーに途方に暮れちゃってんの」 「うん、弦が切れたから」 「見りゃわかるって。さっさと替えろよ」 あたしは何も言えずにその場に座り込み、切れた弦をくるくると指に巻きつけてみた。 そんなあたしをちらっと見た柚莉は、ぷっと笑う。