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奇妙な金属音を立てて、弦が切れる。

ただの細い針金と成り果てた弦が揺れるのを、ぼんやりと眺めていた。
そして、ゆっくりとため息をつく。

「朱」

シュンが肩からぶつかて来る。

「なーに途方に暮れちゃってんの」
「うん、弦が切れたから」
「見りゃわかるって。さっさと替えろよ」

あたしは何も言えずにその場に座り込み、切れた弦をくるくると指に巻きつけてみた。
そんなあたしをちらっと見た柚莉は、ぷっと笑う。