「考えても、分からないんだから、 聞いてるんですけど?」 あたしは、奏の目の前に立って、 空を向いている顔を、 あたしの方に、無理矢理向けた。 頬は冷たく、冷え切ってる。 「泣いて……、いるんですか?」 『うるさいっ』 奏は、腕を目に覆った。 分かりました。 あなたがそうしている、理由が。