この思いを君に






「なぁ、あれ桜木さんじゃね?」

昼休み。
職員室の前を
科学室からの帰りに通った時。

そう言われて見ると
なつがいた。

でも1人ではなくて隣にいるのは

……松田?


「俺の女に手ぇ出すな!とか
言わなくていいの?彼女だろ?」

からかいもあるが、少しは
心配してくれてるみたいだ。

でも

「彼女じゃない。」

「え?」

「…付き合ってない。」




俺はそんなこと言える
立場じゃないんだ。




独占欲?

そんなもの、いつの間に
出てきたんだろうか。

なつの隣に居れるだけじゃ
もう駄目だ。

この気持ちはもう
抑えられないのかもしれない。