バイト先はコンビニ。

私は同じシフトで同じ大学のたくやくんと川田と恋愛の話になった。
このコンビニ、暇で暇で仕方がない。


「せんり好きなヤツおるん?」

川田は私の事が好きっていうのを知っている。たくやくんが前コッソリ教えてくれた。
たくやくんは今時のイケメン、川田は私の一個下で三枚目って言葉がよく似合う漢字の関西人だった。

「えっ、えっ……その……」

「聞かれたく無いことだってあるだろ、やめなよ。」

たくやくんがすかさずフォローに入ってくれた。
ぶっきらぼうだけど結構優しいのを私は知ってる。

「ええやん!ここだけの話!な?な?」

「えー……」

お客が来れば逃げれるのに……お客こい!お客こい!
私は願った。

すると自動ドアが開き入店の音楽が鳴った。やった!逃げれる!

「いらっしゃいませ~」

私はすかさずレジについた。
川田は渋々と店内を見渡した。

「お!さえやん!」

川田が入ってきたお客に呼び掛ける。
知り合いなのかな?
男女二人で一人は薄くパーマがかかっててかなり背が高いたれ目の男の人。もう一人は金髪の少し柄が悪そうな女の子だった。

恋人どうしかな

いいな、私もこうきとこういうのん気な幸せかみしめてみたい。

ぼーっと考えてたらその女の子に「お願いします」って言われてしまった。
川田がこっちを見てクスクスと笑う。ちょっとむかつく。

「なあなあ、さえ、お前まだまーくんと付き合ってたんな!」

あ、どっちも川田の知り合いなんだ。
川田はニコニコと喋りかけていた。さえと呼ばれた女の子は少しめんどくさそうな顔をして

「うっわ、川ちゃんいる時に来るんじゃなかった。」

って言った。
川田の扱いを知ってるってことはかなり長い付き合いなのかな?

「俺ら修羅場中なの」

まーくんって方が口を開いた。
ケンカ……?

「そうそう、次の作品作らなきゃいけないの、忙しいの!あんたと違ってね!」

あとで川田に聞いたら二人は大学の漫画研究会。通称漫研で二人で漫画を描いてるらしい。
それでカップルって凄い話だなぁ。

デートとかするのかな?

とか

結構どうでもいいことを考えていたら退勤時間になって

川田に言い寄られながらも私は学生マンションについた。