「あちらの方に

人影が見えたのでな」

「それだけか。」


少しガッカリしたように

男が言った。


「……疲れた。

一端、休むぞ。」


「――は…?」

耳が悪いのか?

けっこうでかい声で

叫んだはずなんたが…

「何故に?何故に

休まなければいけない?」
「いいじゃん。」