翌朝。
アリスはいつもより早く起きたので少し外に出ることにした。
外に出て、噴水へ行くと誰も居なかった。居るのは鳩だけ。鳩はアリスの元へ近づいた。
アリスは思い切って鳩の頭を撫でてみる。鳩はおとなしくアリスに撫でられた。
「人間慣れしているのね?でも、あまり人間を信用してはだめよ。」
とアリスは静かに言った。
すると鳩はアリスの言葉がわかるかのように首を傾げた。
その素振りを見せた後、鳩は仲間の方へ行こうとした。すこし仲間に近づくと鳩はアリスの方を見た。
「貴方もいってしまうのね?…そう。いってらっしゃい。」
とアリスが言うともう二度と振り返ることもなく鳩は仲間の元へ行った。
「結局一人…か。どうせまた一人になってしまうんだろうね。」
とアリスは独り言のように呟いた。
「ねぇ?なんであたしはいつも一人なのかしら?ねぇどうして?答えてよ久柳。」
ガサガサッ
「あちゃー見つかってたか失敗失敗」
と言いながら久柳が出てきた。
「あたしより早起きなのね?」
とアリスは久柳の方を向かずに言う。
「おぅ!マラソンしてたらさみしそうな美少女がいたからよ。ついつい目に入っちまったよ。」
と言いながら短い白銀の髪を掻き上げた、
「お前は一人じゃねぇだろ?」
久柳は言った。
「なんでそう思うの?」
とアリスは呟いた。
「なんでって…紅とか梨音とかよ…それに俺だっているだろ?」
「…そう。」
アリスは短く返答した。
「お前はなんの不満がある?」
「貴方達には関係ないことだから言わない。」
とアリスは言った。
「関係あるだろ?俺たちは仲間だ。そう言ったのはお前だし、それは逃げていると同じことだ。」
と久柳は言った。