「まいいや、こんなとこ早くおさらば…ゴボッ」

久柳は後ろを見ながら歩いていたので前が見えず、川に入ってしまったのだ。

「ふっ…水も滴る(したたる)いい男だろう?」

と白銀の短髪をかきあげ、ナルシスト的発言をした久柳に梨音は呪文を唱えてあげた。

『炎は全てを焼き尽くす。』

「っぎゃあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!」

と言った久柳を見てなんだか、紅はゾッとした。

「(おれもそのうちああいうのやられるのか…)」

と思ったらしい。

「乾いて良かったね(^^)」

と梨音は無邪気に笑う。

「うぅ…顔はかわいいんだけどな…」

と久柳が呟いた。

すると梨音の顔がすこし火照っていた。

それをみた紅が、「青春だな。」とおじいちゃんみたいなことを言った。

「それにしても-…どうやってここを渡るの??橋もなさそうだし。」

と困ったようにアリスが言う。

「あっちのほうに大木があるわね。あれを斬ればいいんじゃない?」

と女子だけで会議を始めだしたため、男子の紅を久柳は暇になってしまった。

「丸バツゲームしようぜ。」と紅が言ったので、久柳達は丸バツゲームをすることにした。

そのころの女子の行動。

『風の刃は大木をも斬り落とす。』

という呪文が聞こえたので紅たちは「そろそろ行くか」と言い、丸バツゲームを終了した。こんな紅たちを見ているとかわいそうになってくるのは作者の私だけだろうか。

バキィッ

と大きな音をたてて大木がこちらの方に倒れてくる。

「ほうー?よくできてるわねぇ?物語って」

「そうだよなー」

と他2名もうんうんとうなずいていた。

「さーてと、早く次に行きましょ。」

と言って大木の橋を渡った。