トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

「人が好きなんだよ」

 付け加えるように発した言葉に、少年は驚いた。

 傭兵という事は戦場ばかりを目にしているはずなのに

「人間が好き」って、堂々と言えるなんて……

「目を向ける場所は数多くある。『市場』が絡む戦場では私の力など小さなものだが、その中でも救えるものがあるはずだ」

 幾多の命を救い続けてきたベリル……死という安らぎを許されず、ひたすらに生き続けなければならない。

 その苦しみを誰が理解出来るだろうか。

 もっとも、彼自身それが苦しみとは思っていない。