トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

 無菌室を改造した部屋は、なるべく快適に住みやすく造られているようだった。

 このために2日が必要だったのかと少年は納得した。

「まだ芽胞は破れていないと推測している。それを合わせるとおよそ16日だろう」

 10日を過ぎた処で検査をしていく、とベリルは応えた。

「……」

 アザムは顔を伏せて床を見つめる。

 自分が利用されていた事の実感……それがいま、重く心にのし掛かっていた。

「入ればいいんだね」

 キリリと前を向き、ガラス張りの部屋へと続くドアに足を進める。

 3枚の扉はそれぞれガラス張りで、菌が外に出るのを防ぐために施されたものだろう。

「……」

 少年は躊躇いがちに扉に手をかけて、感触を確認し力を込めてゆっくり押し開く。