トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

 しばらく走った車は、少し雰囲気の違う一帯にさしかかる。

 街灯はまばらに点在し、広大な敷地には憩いの場として雑木林もあるようだった。

 おそらく、裏口だと思われる門にさしかかる。暗がりに黒い鉄格子がくっきりと縦縞を浮かばせ、外界との境界線を主張していた。

「あっ」

 視界に飛び込んできた名前に少年は思わず声を上げる。

 静かに入っていく敷地に立てかけられていた看板に

『オレンジウエスト大学病院』

 と記されていた。