トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

 この車にも同じようにカーナビの処にくぼみがある。

「最近出来た仲間だよ」

 少年の考えを読み取ったのか、笑みを見せながら応えた。

「楽しい奴でね」

 発してカーナビに手を伸ばし、どこかを入力し始める。

「!」

 見たような地図……さっき出していた地図だ。表示されている名称は

『オレンジウエスト大学病院』

 現在地と大学病院までの道をじっくりと舐めるように見つめたあと、小さな溜息を漏らして缶コーヒーをひと口含んだ。

「そろそろ気付かれたかな」

「え?」

「私の車だよ」

 ベリルは口の端をつり上げた。