トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

 そうしてしばらく走らせていると、バックシートが気になるのか少年はチラチラと視線を送る。

「……」

 テロリストたちが投げた袋をちゃっかり持ってきていた。

 抜け目がない……

「なんでお金を取るの?」

「有効に使う他に理由があるかね」

 すっぱりと言い放たれ二の句が継げない。

「持ってみて金ではない事は解ったがね」

「え?」

 アザムは袋を見ようと手を伸ばした。

「噛まれるぞ」

「!? 噛まっ……!?」

「危険なので持ってきたのだよ」

 薄笑いで応えるベリルを一瞥し、再び袋に目を向ける。

 もしかして毒蛇とか入ってるのかな……微妙に動く袋にギョッとして、あたふたと体を前に戻した。