ベリルは小さく溜息を吐いて、少年から視線を外し静かに口を開く。

「FBIからの連絡でねレベル4の部屋に男性が1人、閉じこめられていたそうだ」

「レベル4?」

「危険なウイルスなどを扱う部屋だよ」

 上半身を起こし、緩やかな笑顔を向けて続ける。

「オニキスに隠されていたメモと、その連絡でお前の事を思い遣った人間の仕業だと考える」

 お前を逃がした事で捕まり、新たな実験体として閉じこめられていたのだろう。

「……」

 それを聞いた少年は、強く瞼を閉じて涙を流した。

「ボクのために……?」

 ベリルは少年の頭を軽く2回叩くと、再び背もたれに体を預けて目を閉じた。