トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

「ああ、そういえば」

 ハンドルを切りながら何か思い出したように発する。

「あのティーロという男だが、会社の警備員だとか」

「うん」

 返答に小さく笑う。

「なるほど。見た顔だと思ったが、5年ほど前は傭兵をしていた者だ」

「! へえ……」

「向こうは私の事を知らないだろうがね。あの時、私は別の要請で現地にいたが、うむ彼はよく動いていた」

 懐かしさに目を細めた。

「……」

 まるで年下の人間に言うような口ぶりに、少年は眉をひそめた。