トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

 このカーナビも、もしかして特別仕様なのかな? などと思考をめぐらせる。

 その時、ベリルが何かに気が付いてパンツのバックポケットをあさった。

 取り出すと、震えている携帯をカーナビに差し込む。

「何か用かね」

<ベリル。その子を渡してくれ>

 声の主はメイソンだ。

「!」

 アザムはビクリと体を強ばられた。

「それには従えん」

 ベリルは予想していた言葉らしく、冷静な声色で応えた。

<いい加減にしてくれ。君も事の重大性は認識しているだろう>

「認識しているからこそ従えないのだ」

<お互いの考えは異なるようだな>

 メイソンの口調がにわかに険しくなった。