「貴様、何者だ?」

 いぶかしげに問いかける男に、青年は視線だけを後ろに向け小さく笑う。

「ただの傭兵だ」

「! ……どうりで」

 アザムの腕を掴んでいる男が納得した。

「ああ、下は確認しなくていいのかね」

 そう言って自分の足下を示す。

「!」

 足首にも持っているのか? 男は少し驚いたように青年の足下に視線を移した。

 刹那──下から素早く男のアゴを何かが直撃をする。

「ぐあっ!?」

 男はアッパーを食らって後ろに倒れ込んだ。