「病院?」

 カーナビの電源を入れて検索した画面に少年は怪訝な表情を浮かべた。

「このままという訳にもいかんのでね」

 大学病院までの道を検索し、それをしばらくじっと眺める。

「ふむ」

 納得したようにつぶやくと、エンジンかけて車を動かした。

「開けてくれ」

 サンドウィッチの包みを渡すと、少年は素直にガサガサと開けて一つを手渡す。

「残りは食べて良い」

 受け取りながら発して駐車場をあとにした。