「……」

 ベリルの表情が苦くなる。

 それが本当なのか誰にも解らない。

 出来るだけ早急に事を進めたいのだが……喉の奥で小さく舌打ちをした。

 街に入ると、食料品店でいくつか買い物を済ませる。

 アザムは車の中から駐車場にいるベリルを一瞥しジュースを一気に飲み干した。

 どこにかけているのかは解らないが、深刻な内容ではないらしい。

 しばらくすると通話が終わったのか、携帯を閉じて車に乗り込んだ。