トリガーブラッド~偉大な緑の協力者~

[この子の中に眠るウイルスは抗体も同時に運ぶための上手い方法だが、抗体はまだお前たちの手には無いという事だな]

[それがどうした]

 何かを含んだ物言いに、男はぴくりと片眉を上げる。

 ベリルは向かい合っている男にニヤリと笑みを浮かべると、すかさず腰から銃(ハンドガン)を取りだし右にいる男に一発、発砲した。

[うがっ!?]

 弾丸は見事に男の左太ももに命中し、貫通してコンクリートの地面に弾かれる。

[きさま!?]

 男たちは驚いてライフルを向けた。

「アザム! 首に」

「えっ!? あっ……」

 少年は言われた通りに彼の首にしがみつく。