「それであのっ」

 一通り話して、はやる気持ちを抑え本題を切り出す。

「アザムは今どこに」

「心配ない。我々が把握している」

 彼の戸惑う口調とは裏腹に、メイソンの返しは冷静だった。

「それは……どういう?」

「子どものことよりも、自分たちの心配が先だと思いますが?」

 聞き返した青年に目を向けて、おだやかだが凍り付くような言葉を言い放った。

「ひっ」

 ジェイコブがレイの後ろで顔をひきつらせた。